*****  2007June13rdWed  *****   ぴっかぴっかの寺!仏の歯を祀る寺!その建築の裏方!In Singapore その2   
Thursday, June 14, 2007, 21:28 - プチニュース
明日の「NHK全国ラジオ深夜便」のラジオ出演に向け原稿を進めます。

5月31日釈迦誕生日(ベッサクデー)ににちなんで一般公開された『シンガポール仏歯寺』について。
(『シンガポール仏歯時』の概要については、昨日の記事をご覧下さい!
*****  2007June13rdWed  *****   
ぴっかぴっかの寺!開山わずか2週間!仏の歯を祀る寺!In Singapore)

この建築、設計にあたり要になり話題になった人物、そして日本の仏教文化にスポットを当てます。



地上5階建ての豪華絢爛のこの寺、
1階部分の仏堂、上層階は仏教美術品博物館などが設けられます。
真っ赤な柱に、白壁、黒い屋根瓦、この設計は中国・唐時代の建築物がモデルになっています。



この寺の建設には、諸外国から仏像や装飾品を運んでいます。
例えば、
1階の仏堂に安置される弥勒菩薩像は台湾の著名仏師が制作したもの。
また、弥勒堂の壁を飾る木彫りの竜は中国から運び込まれています。
寺の屋根瓦や法輪(ほうりん)は日本・奈良で特注しています。西陣織の布も使われています。



今回のこの寺の建築にあたり裏方の人物の一人の中国人の仏教美術家が話題になっています。
この方は、日本の仏教文化と深く関わっていまして、
「日本から導入した技術で再現した!」と話題になっています。
それは、寺の建設で欠かすことのできない、仏像、天井を彩る曼荼羅の色彩(さいしき)について。

実は、「中国の唐時代の様式の建築物」は、
中国の文化大革命の混乱の中で最も失われた時代の様式です。

その仏教文化の技術と彩を再現したのは、
上海出身の中国人の彩色師(さいしきし)チョウ・ケンさん(46歳)が率いるチーム。
チョウさんは、京都精華大学・大学院で仏教美術を勉強した経験があります。
(チョウさんは、祖父が画家。その影響を受けて、海外の美術に関心を持ち日本へ留学しました。)

そして、大学院卒業した3年後に仏教寺院の修復を専門に手がける会社を上海に設立しました。
そのチョウさんの仕事ぶりを本で読んだこの寺の主席がチョウさん達に曼荼羅の彩色を依頼しました。

チョウさんは地元紙のインタビューで、「日本の仏教美術は昔、中国から学んだもの。
それが日本で大切に保存されていたことに感動した」と話しています。



来年1月15日のこの『シンガポール仏歯寺』の正式一般公開にむけてチョウさんは、
今後、上海・シンガポールを往復しこの寺の内部の彩色にとりかかります。
仏歯寺内の、欄間・天井画・仏像など、日本の岩絵の具などを使って彩色作業を行いますま。

中国で育った伝統技術を、日本が受け継ぎ守られてきたという、この彩色師の腕が仕上げる
曼荼羅、この寺の見所の一つに加わる事は間違いありませんね。




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