*****  2007Oct14thSun   *****   ハリ・ラヤ・プアサ「Hari Raya Puasa」!イスラム教徒の祭りの祝日!の話し! 
Sunday, October 14, 2007, 23:40 - イベント
昨日はシンガポールの国民の休日です!
多国籍国家のシンガポールでは国民の休日も宗教・民族に均等に配分され皆で異文化を祝います。

シンガポールの国民の祝日は一年を通して10あります。
新暦の正月、中華系の人々の旧正月、キリスト教の復活祭(グッド・フライデー)、
仏教徒の釈迦生誕祭(べサック・デー)、ヒンドゥー教の光の祭り(ディーバヴァリ)。
そして!昨日の祝日は!イスラム教徒の最大の祭り!ハリ・ラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)

今日の記事の写真は全て、10月14日にシンガポールの祭りの中心地、ゲイラン地区で撮影しました。
タクシー運転手さんに「ハリラヤプアサ」のメインの会場にお願いすると連れて下さいました。



昨日から駅や住宅街で、カラフルなシルクの晴れ着を着たイスラム教徒の人々が見られます。
親戚や友人のところへ挨拶をします、来月の初旬までおよそ1ヶ月間挨拶回りを続けます。
私が中国語を学ぶ国立大学でも、教室や廊下にこの祭りの到来を祝う飾りつけが施されています。

イスラム教徒の信仰上の習慣「断食」が、毎年この祭りによって終わりを告げます!
シンガポールに来る寸前の2005年の秋、マレーシアの首都クアラルンプールにいる友人がメールで
                 「断食中のお祈り」が町中に響き渡っています・・・

と季語として暮らしぶりを知らせてくれました。厳粛なイスラム教徒の暮らしを初めて実感しました。
この断食はおよそ1ヶ月間行われ、「ラマダン」といいます。
正確にいいますと、この期間中は日中は食べ物・飲み物・タバコ・性交など全ての快楽を断ちます。
日頃の糧に感謝し飢えで苦しむ人々の気持ちを味わい、「健康」や「命」のありがたさを知ります。
この時期、ある種神聖さを持つ時期です。世界各国のモスリム(イスラム教徒)の人々が揃って、
同じ試練を共有し教えに対する服従行為としてラマダンが行われています。

そして!昨日の休日、ハリラヤプアサはこの1ヶ月間のラマダン明けを盛大に祝う祭りです。
イスラム暦の第9番目の月に実施した断食、そして第10番目の月の始まりがハリラヤプアサの日。
ハリラヤプアサでは人々は互いに「ハッピーニューイヤー」ではなく
                 「セラマ ハリラヤ(断食明けおめでとう!)」と言葉を掛け合います。
毎年、これらの祭りの日程はイスラム暦で決められるため、
太陽暦のカレンダーに照らし合わせますと、11日づつ前の年からずれます。

モスリムの友人に聞いたところによりますと、およそ33年にラマダーンの月が12ヶ月を一巡します。
「一生のうちで太陽暦のカレンダーと同じ時期に、断食を迎えるのは人生で2度体験する」そうです。



今年は、10月13日がハリラヤプアサ。モスリムの人々にとっては正月の様な最大の祝いです。
この時期が近づきますと、帰省が始まります。親戚や家族に挨拶します。墓参りもするそうです。
特別な食事を囲み親族が団欒する・・・、日本の正月と同じですね。この日新調した洋服も着ます。
お年玉も配るんです!以前シンガポールの中華系の人々の新年、旧正月の時に紹介しました。
中華系の人々のめでたい色は「赤色(紅色 hong se)」。赤色の紙幣がお年玉袋に入れ配られます。
このモスリムの人々にとってめでたい色は何色だと思いますか???→→→「緑色」です!!
シンガポールは、「5ドル札」が緑色です、ハリラヤプアサでは緑色の札が重宝します。

また、近年では異なる宗教の友人や外国人にもこの慶事を共に祝ってもらおうと、
「オープンハウス」と呼ばれているパーティーも開催します。
このオープンハウスは社会的に奨励されています、王家や政治家が貴賓を招待し盛大に行います!



また、シンガポールの生活でも、ラマダンの期間であることは自然に耳にします。
シンガポール・リーグのサッカーの試合も19:45キックオフを15分繰り上げて20:00からです。
これはイスラム教徒の選手達に考慮したもの。日が暮れた後、食事を済ませてゲームに参加します。

他にも余談ですが、最近友人の1人がサルタン・モスク(Sultan Mosque)の近くへ引っ越しました。
サルタン・モスクはシンガポールの最古で最大のイスラム教寺院です。
毎日1日5回、モスリム信者による祈りが窓の外から聞こえているそうです。
この定時のお祈りスタートは、まだ朝の明けやらぬ朝5:30。
この時期はラマダンの「始まり」を告げる祈りの意味もあり、特別な祈りが捧げられます。

ラマダンの時期、夜になりますと、モスクの前には屋台が並び、近くの広場ではマーケットが登場!
断食の一日の疲れを癒し、互いに労わりあう処でしょう。この時期だけの特別な催しです。
食べ物やハリラヤプアサの衣類や特別な菓子やダンスが見られるイベントステージなど。
詳しい内容については後日記事にアップしましょう!

宗教上の祝い事も異文化の壁を越え祝われます。それが多国籍国家シンガポールの魅力です!




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