*****  2007July19thThr   *****   メディアの災害報道〜そして阪神大震災1995年1月17日の体験〜 
Wednesday, July 18, 2007, 23:33 - プチニュース
試験の2日目、17日の午後、友人から携帯電話へのmailで「新潟で大地震が起こった。」と
シンガポールにいる私のところへも新潟中越沖地震の発生が知らされました。
まだ、その時点では地震の規模や被害の状況の詳細は知りませんでした。

しかし、その日各社が報道したインターネット上の記事によりその地震の恐ろしさを知りました。



神戸で生まれ育った私にとって、
やはり阪神淡路大震災にて体験した恐ろしい経験を思い出さずにはいられませんでした。

地面から突き上げてくる様な、うなる地響きと震度7の揺れ。
当日の午後、神戸・長田地区に救援へ向かった父が、
その夜、火災の火の粉で顔をススで真っ黒にし、髪や眉をチリジリに燃やし、帰宅したその姿。
その後、数週間続いた大きな余震で家中の柱がミシミシきしむ音、その度に襲われる恐怖感。
家が全壊した親友を探し求めて、多くの避難所を巡った日々、
ライフラインが全て止まり、3ヶ月もの間、親戚皆で集まって共に暮らした事。
震災後初めて出かけた三宮からの帰り道、
大きな被害を受けた元町、長田、湊川の町から明かりが消え、どこまでも続く暗闇に、
地震の悲惨さを改めて感じ、愛着ある街を失った悲しみで胸が溢れた事。



今、そうした不安な時間を被災地の方々は過ごしているのでしょう。
7月19日の午前のNHKの国際放送のニュースによりますと、
新潟中越沖地震の死者は、10人、新潟県・長野県での負傷者は合わせて、1306人。
地震発生から2日目、18日は6200人の方々が避難所で夜を過ごしました。



阪神淡路大震災の発生。
1995年1月17日、午前5時46分52秒、震源地は淡路北部、マグニチュード7.3の強い揺れ。
震源地である淡路北部に近い私の自宅は、家全体がそのすさまじい揺れによって揺さぶられ、
家具が倒れ、タンスや戸棚の中身が全部部屋中に飛び出し、足の踏み場も無い程の状態でした。

地震発生から数時間後、我が家の台所でろうそくの灯火の中、
耳をこらして聞いた携帯ラジオから聞こえるラジオ放送の内容を今でも鮮明に覚えています。
地元のAMラジオ局のアナウンサーが、ラジオ局周辺の様子を生々しく中継していました。
神戸市の海側(浜側)の住宅家屋の倒壊、負傷者や毛布に包まり避難所に向かう人々の姿など。
電気・水道・ガス全てのライフラインがストップし、電話も不通、
その中で、この生放送が唯一この地震について知ることのできる情報源でした。

その日の午前のうちに、この地震がただならぬ大事態だという事をその放送によって知りました。



東京新聞が今日7月19日の朝刊で新潟中越沖地震の当日の報道の様子を伝えています、
地元FM局やAM局では、地震発生直後から番組内容を特別番組へ差し替えて、
被害状況など地震関連情報を伝え続けたそうです。

新潟市のBSNラジオは、在日の外国人に向けて、
英語、中国語、ロシア語などで余震への警戒や避難所などを伝えました。
また、市庁舎内に備えている放送機材から、災害対策本部の情報や市長のコメントなどの放送も。

また、被災地ではデータ放送の情報提供も利用されているとの事。
これは、NHKの新潟放送局が、地上デジタル放送で文字情報を送る県域データ放送を利用して、
被災地の住民の方々に生活関連情報を提供しているものです。
この内容は現在、主に避難所生活の情報、炊き出し・給水など場所や時間を伝えています。
今後は、家屋の後片付けに伴って必要なごみの収集、また犯罪被害の防止・ペットの預かり・
ボランティアの情報なども状況に応じて更新していく方針です。

こうしたデジタル放送による情報提供は、電波を空中に飛ばすため、インターネットに比べると
災害状況における影響は少ないとされています。
今後、2010年の全面デジタル放送化に向けて、
こうしたデジタル放送を使った災害面の対応に力を入れるべきだと指摘する声も上がっています。



被災地で過ごす人々や離れて暮らすその家族にとっては、貴重な被災地の災害情報。
今後は、きめ細かい情報源のネットワークの向上と同時に、
不安を抱える被災した人々の気持ちを和らげられる、より良い情報提供を願います。




掲載の写真 (上より順に)
1.毎年1月17日、追悼行事の式典が行われる神戸・三宮、東遊園地
  震災の復興を願って開催された光の祭典「神戸ルミナリエ」
2.神戸・灘区の被害を受けた酒蔵、梁を新しい木材で補修した様子が分かります
3.同じく灘区の酒蔵 震災から5年経ってやっと酒造りが再開されました
4.震災から6年後の神戸・西宮間の復興した街の夜景
5.神戸・北区の名湯温泉「有馬温泉」の温泉街 泉源も復興しています

  
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